スーパーヒーローになりたいと思っていた僕が、サラリーマンになるまで、20年かかった。現実は僕らに現実を叩き続け、今までは自尊心と熱量と現実知らずと、ちょっとの希望でガンガンに回していた世界が脆く崩壊したのだ。悔しくもこれ以上戦わなくていいと思ったら安堵の息が漏れた。小さい頃は、3分しか戦えないヒーローに憧れた。少し大きくなると今度はマスクを被った人に憧れた。小学校に入ると、テレビに映って、日本を背負って戦っている勇者に憧れた。中学に入ると地元の、賃金をもらってサッカーをしている人たちに憧れた。高校に行くと、サッカーをしてお金をもらうことは無理だと悟った。大学に行くと、好きなことをしてお金をもらうことは難しいと悟った。ヒーローになることも、テレビに出ることも、国を背負うことも、サッカーをすることも、難しいと悟った。あれ?いつから僕は悟りを開いたんだ?仕方がない、仕様が無い、お金がない、時間がない、夢がない、やりたいことがない。生きてるか?息してるだけか?意味あんのか?少しの闇に飲まれかけた。サッカーがしたい、ヒーローになりたい、世界を救いたい。最近声に出すようにした。闇に片足突っ込んだ自分は、振り払うように、ちょっとの希望を吐き続ける。10年経ったあと、まだまだ吐き続けてるか今から楽しみだ。